
そもそも『退職金』とはまず始めに、そもそも退職金は法律で支給が定められているものではないことをご存知ですか?労働条件等の基準が定められている「労働基準法」 においても、「退職金は必ず支給しなさい」との条文はどこにも出てきません。この『退職金』は、その支給が会社の中で制度化されている場合 に限って就業規則への記載が求められ、そこで初めて支給が義務付けられます。
それではなぜ日本国内の企業の実に90%が 退職金制度を採用しているのでしょうか。
退職金制度は、江戸時代の商家における「暖簾分け」にそのルーツがあることはよく言われることですが、その後も時代の変化に合わせてその意義も 変遷し、現代においては賃金の後払いであるとか、老後の生活保障のために支払われる所得保障的意義を持っていると言われます。 確かに戦後の高度経済成長下においては労働力が不足気味で、企業は有能な社員確保のために他社よりも少しでも有利な労働条件を設定し 労働力確保を図っていました。退職金制度がこれほど広く企業社会に浸透したのもそのためであると言えます。
しかし現在の企業経営を取り巻く環境、特に中小企業におけるそれを考えた場合、一般的に普及している制度だからという理由だけで、法的に支給義務 のない退職金制度を漫然と存続させることは費用対効果の面で疑問を持たざるを得ません。
現に新興のIT関連企業や、既存業種であっても業歴の浅い企業では、退職金制度を持たない、或いは前払い制度にして将来の不確定な労働債務から回避 しているところもあるのです。
とは言え、私は基本的には退職金制度は中小企業においても必要であると考えています。それは、過去に退職金を支払った経験のある経営者の皆様なら お分かりでしょうが、中小企業における退職金の支払には「賃金の後払い」や「老後の所得保障」とは異なる別の意義があるからです。 だからこそ中小企業における退職金制度は、勤続40年で2,000万円などというおよそ企業の財務的体力とかけ離れた内容によるものではなく、 それぞれの企業のポリシーが明確に反映され、財務的に存続可能な制度であるべきです。

退職金はその支給が法律で決められているものではない。
退職金制度をなくしてしまうことも可能。
退職金制度を存続させるとしても長期にわたって持続可能な制度であることが重要。
自社の人事ポリシーとの整合性を確認する。
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