
誤解の多い『退職金問題』昭和37年に始まった税制適格年金制度(以下、「適年」)が、平成14年4月の確定給付企業年金法により事実上の廃止が決定付けられ、 これまでに多くの会社が適年から他の社外準備制度への移行を行っています。しかし、これが最も多い誤解なのですが、将来、支給に必要な資金 の準備手段の変更だけでは『退職金問題』は解決しないのです。さらにもう一歩踏み込んで言えば、幸いにして退職金規程の退職金額そのものの 減額修正が出来たとしても、それでも『退職金問題』は解決に至らないケースが多いのです。
それでは『退職金問題』とは一体何なのでしょうか。
適年移行の問題は、平成24年4月以降はそのメリットがなくなることから、確かに1つの大きな問題であると言えます。 移行先の各制度にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自社にとってよりベターな選択をするまでにも相当の労力を要します。 さらに、適年が急速に広がった時代のような高金利下での運用は今後見込めないため、退職金額水準の見直しも必要となります。 見直しには同業他社の水準の把握、あるいは自社の財務力の検証が欠かせないことが退職金制度の変更を難しくしています。
しかし、退職金の問題を解決する際の本質的核心は、「退職金制度が自社の人事制度の中で果たす役割」をもう一度検証し、再定義することに あるのではないでしょうか。退職金制度は元々、企業の労働者引き留め策という意義もあったほど永年勤続そのものを「貢献」とみなして いました。一方、労働者の就業意識は時代の流れと共に確実に変化し、会社への帰属意識は薄れ、保有する知識や経験を高く評価してくれる 他社への転職も活発になり、労働市場の流動化は今後も続くと思われます。そしてそもそも長年にわたる勤続という事実だけで、会社に対して 大きな貢献があったと評価する会社が今の時代どれほどあるでしょう。 また、労働者としての義務を果たさないまま権利ばかりを主張して、トラブルを起こした挙句の退職というケースも多くなっています。 仮にその労働者の勤続年数が10年あっても、相応する退職金を喜んで支給するという経営者はまずいないでしょう。 それら様々なケースに適応可能な制度が、今求められる退職金制度なのです。
貴社の退職金制度は貴社の人事ポリシーと合致したものになっていますか??
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