
労働基準法では常時10人以上の労働者を使用する事業場に就業規則の作成・届出を義務付けています。これが就業規則作成義務の法的根拠になります。 多くの会社ではこの法規定があるから作成したというのが実情でしょう。しかし就業規則を作成すべき理由は、何も法律で決められているからというだけ ではありません。企業が利益を生み出すためには、商品であるモノの質・量を向上させ、販路を拡大することはもちろんですが、それを提供する企業が合理的 かつ能率的に運営されていなければなりません。そして、組織の合理的かつ能率的な運営に欠かせないのが職場で適用される統一的・画一的な基準と規範 なのです。もしもそのような基準と規範がなければどうなるでしょう。労働者ごとに異なる職業観や行動規範に基づいた業務遂行により、組織内部の ベクトルは四方八方に分散し、全役職員が一丸となって同じ目標を目指すときの最大化された生産力と利益率は望めなくなってしまいます。 就業規則の作成は、労使双方にとって必要不可欠なものなのです。
結論から先に言えば「NO!」です。逆に就業規則がないと会社の利益を守れないこともあります。会社側が権利として有する人事権も、就業規則などの
明文化された規定があって、なおかつそれが周知されていなければ認められないこともあるからです。「懲戒処分」を例に取れば、会社が懲戒処分権を
行使して労働者に処分を課すためには、就業規則に該当する懲戒事由であること、また就業規則に定められた処分の種類であることが必要になるのです。
これらの規定がないにも関らず経営者の恣意的な処分を課すことは、懲戒処分権の濫用に当たり無効となるケースが目立ちます。就業規則は会社を守る
ツールとしては最大の武器なのです。
就業規則には会社を守るリスク・ヘッジの手段として活用できる点があることは分かりました。しかしさらに戦略的に就業規則を活用している会社もあります。
会社の中で講じるほとんど全ての施策は、最終的には自社の売上に貢献することが目的です。人事・労務管理上の施策としての就業規則も例外ではありません。
就業規則が売上あるいは利益に貢献できるポイントとして挙げられるのは、@無駄な経費を発生させない A労働者のモチベーションを向上させる この2点
です。特にAについては意外に思われる方もおられるでしょうが、規定のあり方如何で十分に可能です。
就業規則は一度定めてしまえば、その内容が労働者にとっての既得権となります。その後に改訂しようとすれば不利益変更の問題への対応が必要となる場合
があります。作成や改訂を行う場合、事前のご相談をお薦めします。下記に代表的具体例を示します。
労働時間改定
改正高年齢者雇用安定法への対応(継続雇用制度)
懲戒処分事由の設定
時間外労働割増賃金(残業代)対策 など。
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